GLAGOM ONE が発表されました。最大の特徴はE-インクを用いた低消費電力のディスプレイ。これにより、ディスプレイと心拍数機能が付いていながら30日間の長期駆動を実現しました。
ところで、GLAGOM ONEの前身となるモデル「GLIGO」には、性能面で悪い評判を聞きます。その問題は解決されているのでしょうか。今回は最初に GLAGOM ONE の紹介を行い、次に問題点が克服できたのか考察します。
Shenzhen(深セン)Pertie Technology の紹介
GLAGOM ONE を開発したのは中国の Shenzhen(深セン)Pertie Technology です。2010年に有限会社として設立されました。会社の強みは電子ペーパーにあります。広告表示のディスプレイを取り扱っており、コカ・コーラや BMW など、様々な大企業に使われています。2014年にはBluetooth技術に力を入れ、レーザーキーボードを発売するなど手を広げていきました。
そして2018年。
これらの技術が合わさったハイブリッドスマートウォッチ「GLIGO」がクラウドファンディングで登場、複数サイトで8000万円以上もの資金獲得に成功しました。しかしその後無事出荷されたものの、アプリや機能面で問題が多く未だ問題が残っているようです(詳細は後述)。
そんな中で、新たに日本で発表されたのが「GLAGOM ONE」です。今回は代理店のセールス・オンデマンドを介しての発売となっています。
製品紹介
GLAGOM ONE のコンセプトは「デザインも機能も多すぎず少なすぎず、ちょうどいい」。デザインも北欧デザインのようなシンプルなものになっています。他モデルにない特徴として電子ペーパーのディスプレイが挙げられます。これにより日付や秒の表示、通知の確認など多様な機能を持ち込みながらも、30日間の連続使用を実現しています。
次に機能一覧を挙げます。
- 電話/メール/各種SNSの着信通知
- 歩数/睡眠/心拍数の計測および分析
- リマインダー通知
- アラーム通知
- 座りすぎ防止通知
(GLAGOM より引用)
ハイブリッドスマートウォッチとして普通のものは一通り揃っています。注目すべき点は心拍センサが付いていることです。心拍センサを使うことで運動時に自分の状態を客観的に知ることができるようになります。特にランニングやハイキングを行う際には心拍数がわかるととても便利です。
製品一覧
GLAGOM ONE は現在「ブラック」「シルバー」「ゴールド」の三種類です。
定価は2万7000円。ディスプレイ、心拍数機能付きのハイブリッドスマートウォッチとしては妥当な価格だと言えるでしょう。
GLIGO との違いはあるのか? 問題点は解決されたのか?
さて、ある意味ここからが本題です。GLAGOM ONE は GLIGO の後継機種となっています。しかし、調べてもこの二つの関係性が不思議と見つかりません。また GLIGO は問題点が多いため、GLAGOM ONE がその問題点を解決しているのか知っておく必要があります。そこで、今回は調査を行い分析をしていきます。
GLIGO の評判
まずは GLIGO の評価がどれぐらいなのか、できるだけ客観的な視点で紹介します。
GLIGO が発表されたとき、そのアイデアから大きな期待が寄せられました。しかし、発送後いざ使ってみると、使える機能が不安定だったりサポートが悪かったりと、失望の声が少なくなかったようです。
実際、Google Play で GLIGO 用のアプリを見るとなかなか辛辣な評価が見られます。
また、アマゾンで売られている GLIGO 公式の販売ページを見ると、以下の記述が見られます。
現状はスマートウォッチとしてはアプリの品質が低いと言わざるを得ません。
ユーザー様のご希望に沿えるようにメーカーが常にアップデートを繰り返しておりますが、今現在では、ファッション用の腕時計として、見ていただければ幸いです。(2018年12月時点)(Amazon の GLIGO 販売ページより引用)
この後5月にアプリのアップデートが入りましたが、まだ問題点は残っているようです。
インターネットによる調査
次は検索による調査です。
疑問1:GLIGO と GLAGOM ONE はどこが違うのか?
GLIGO を調べると、「30日連続使用」「ミニマリストデザイン」など、GLAGOM ONE と共通した部分ばかりです。結局違いが見つかったのは2点だけでした。結論としては「ほぼ同じ」ようです。
違い1:カラーバリエーション
GLIGO はブラックとシルバーの2通りです。GLAGOM ONE よりも1色少ないラインナップとなっていました。
違い2:Bluetooth のバージョン
GLIGO には実は初代と 2S の二種類があります。性能はほぼ同じですが、初代の Bluetooth 4.2 に対し、2S は 5.0 に進化しました。では GLAGOM ONE はというと、Bluetooth 4.2 でした。初代がベースということなのでしょうか。
疑問2:GLIGO の問題点は解消されているのか?
現在は予約受付中なため、実際に使ったレビューはまだありません。調べても何もわかりませんでした。また、海外で「GLAGOM ONE」という製品は存在しないようです。
問い合わせてみた
埒が明かないので、セールス・オンデマンド社に先ほどの疑問を問い合わせてみました。以下がその返信になります。
疑問1:GLIGO と GLAGOM ONE はどこが違うのか?
GLIGO watch との機能面の異なる点でございますが、GLAGOM ONE は、GLIGO watch と製造元は同じではありますが、
異なる製品でございます。 弊社はGLAGOM ONEの日本正規販売代理店でございますので GLIGO watch の詳細は分かりかねますが、GLAGOM ONE には下記の機能がございます。(以下省略)
疑問2:GLIGO の問題点は解消されているのか?
GLIGO watchを踏まえた対策や改善点につきましては、
GLAGOM の専用アプリの翻訳や仕様確定に向けたリクエストを 弊社にて実施、本体とアプリの接続改善、GLAGOM ONE専用のサポートセンターの運営などがございます。
分析:GLAGOM ONE は期待できるのか
では、GLAGOM ONE は GLIGO の問題点を解決できているのでしょうか。私は「改善している可能性が高い」と見ています。理由として2点あります。
一つ目は、販売代理店に優れた実績がある点です。代理販売店のセールス・オンデマンドは、2017年まで「ルンバ」の販売やアフターサービスを一手に担っていた企業です。そのため、商品の選定眼は持っているはずです。今回の GLAGOM ONE 発売に際しても勝算があるからこそ参入したのでないかと考えられます。
二つ目は、販売代理店が改善しようとする意志を持っている点です。問い合わせによると、ただ開発元に発注をする一方的な関係ではなく、開発元に意見を出して改善を図っている双方的な関係が読み取れます。これにより今までの問題点も改善されていることが期待できそうです。
まとめ
文字盤全体のディスプレイと心拍センサが付いていながら長持ち。機能的に申し分ない GLAGOM ONE は大きな潜在能力を秘めているハイブリッドスマートウォッチです。GLIGO の弱点を克服できていれば人気モデルの一つに躍り出る可能性も決して低くはありません。発売後の評判に注目したいと思います。
スペック一覧
GLAGOM ONE | |
電池持ち | 30日 |
防水 | ○(3気圧) |
秒針 | ○(デジタル) |
日付確認 | ○ |
活動トラッキング | ○ |
睡眠トラッキング | ○ |
心拍測定 | ○ |
通知機能 | ○ |
カメラシャッター | × |
音楽プレーヤー | × |
スマホ紛失防止 | ○ |
目覚まし | ○ |
ディスプレイ | ○ |
価格 | 2.7万円 |
参考文献
- global sources(Shenzhen Pertie Technology Limited Company)
- GLAGOM
- makuake(GLIGO)
- INDIEGOGO(GLIGO)
- INDIEGOGO(GLIGO 2S)
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