2020年は高機能のハイブリッドスマートウォッチが数多く発売され、だんだん要求される機能が上がってきているのを感じます。さて、ハイブリッドスマートウォッチの魅力は普段使いできるデザインのものから運動目的まで幅広く揃っていること。その幅広さはスマートウォッチにも負けていません。今回は、用途やデザイン別にオススメのハイブリッドスマートウォッチを全11種類紹介します。
選びかた
ハイブリッドスマートウォッチを使い始めて5年の筆者がデザインや性能などから総合的に選びます。ちなみに現在使っているスマートウォッチはフランス・ウィジングス社の「ScanWatch」です。
昨年まではレビューサイトを参考にしていたのですが、だんだん日本と海外で製品のラインナップが変わってきたので、今回は使わないことにしました。
5種類の用途別にオススメを紹介していきます。それではスタート!
運動に使いたい
まずは運動用にちょうどいいハイブリッドスマートウォッチ。心拍やVO2Max(最大酸素摂取量)が測定できるハイスペックなハイブリッドスマートウォッチを二つ紹介します。
ScanWatch(ウィジングス)
一つ目はフランスのメーカー「ウィジングス」のフラッグシップモデル「ScanWatch」です。ウィジングスはフランスのヘルスケア企業で、体重計や血圧計も発売しています。ScanWatch も多分にもれず健康系の機能が充実しています。
心拍計や運動/睡眠の自動認識はもちろんのこと、呼吸の乱れの検知まで行うことができます。さらには心電図機能も搭載済みですが、この機能は日本での認可がまだ降りていないので使用できず。
おしゃれの国フランスらしくどんな服にも似合うデザインです。多機能でありながら電池持ちは30日とばっちり。使っていて大きな不満点はありません。自信を持ってオススメします。
○:ヘルスケアの機能が充実
△:心電図機能は現在使えない
vivomove Luxe/Style(ガーミン)
フィットネス分野のスマートウォッチでは有名なガーミンはハイブリッドスマートウォッチも発売しています。今回紹介する「vivomove Luxe」「Style」は、文字盤の上下にカラーディスプレイが付いています。売れ筋のハイブリッドスマートウォッチの中でカラーディスプレイは唯一無二。
運動や日常を送る上での機能が充実しており、ボディバッテリー(体力を点数で表示)やストレスレベルなどとにかく種類が多いです。電子決済の機能もあり、最近はSuicaにも対応しました。
弱点は電池持ちが4日間と短めなところ。ただカラーディスプレイなので短いのは仕方ないでしょう。
とにかく高機能なものがほしい人にはこのモデルが一番オススメです。
ちなみに「Luxe」と「Style」の違いはデザインにあります。光沢あふれる金属と高級感のあるベルトがついた「Luxe」に、ツヤ消しされてスポーティなベルトが採用された「Style」。さらには兄弟モデルとして、少し機能が減った「vivomove 3/3S」があり、こちらもオススメです。
○:運動・日常で使える機能の量はNo.1。さらにカラーディスプレイ
△:電池持ちが5日間
それなりにいろいろ使いたい
運動バリバリではないけどそれなりに機能はほしい。そんな人向けに、心拍測定ができて基本的な機能もしっかりそろっている製品を用意しました。
Steel HR/Steel HR Sport(ウィジングス)
ウィジングスのミドルレンジモデルです。ScanWatch ほどヘルスケア機能は充実していないものの、心拍測定や運動の自動認識など、一通りの機能がしっかり入っています。ディスプレイがあるので通知のチェックも問題なくできます。
「Steel HR」と「Steel HR Sport」の違いは一つだけ。Steel HR Sport は「VO2Max」の測定ができますが、Steel HR ではできません。あとは Sport のほうがスポーツらしいデザインになっています。買うときはデザインの好みで選べば問題ないでしょう。
全体的な機能は ScanWatch の下位互換ですが、そのぶん価格は安めです。「ウィジングスのハイブリッドスマートウォッチに興味があるけど ScanWatch ほどの機能は必要ない」人には Steel HR がオススメです。
○:性能の割に安め
△:機能はScanWatchの下位互換
Hybrid HR(フォッシルグループ)
アメリカ最大の時計メーカー「フォッシルグループ」。フォッシルを筆頭にスカーゲン、アルマーニなど有名ブランドと連携して多様なハイブリッドスマートウォッチを売り出しています。そんなフォッシルグループが2019年に発売した新モデルが今回紹介する「Hybrid HR」です。
「Hybrid HR」の特徴は性能とデザインの両立です。e-インクのディスプレイや心拍センサ機能が付いており、ハイブリッドスマートウォッチの一般的な機能はほぼすべて入っています。それだけではありません。時計メーカーらしく多様なラインナップがそろっています。その数はなんと現在25種類。2021年初頭にグループ内のスカーゲンからも発売され、一気に数が増えました。
一方で、時計の側面が大きいため、運動関連の機能はウィジングスやガーミンの製品と比べ少なめです。多機能で時計らしいデザインがほしい人には断然「Hybrid HR」がオススメです。
○:充実した機能、多様なデザイン
△:アクティビティ機能は他メーカーと比べ少なめ
時計メインで使いたい
ハイブリッドスマートウォッチの魅力といえば時計と見分けが付かない特別感。ディスプレイのついていない、見た目は時計そのもののスマートウォッチを三つピックアップします。
クロナビーのハイブリッドスマートウォッチ
クロナビーはスウェーデンのブランドです。元ソニーモバイルの社員が多く在籍しているとか。現在はスペインの時計メーカー「フェスティナ」の傘下に入っています。
そんなクロナビーが発売しているのは正統派のハイブリッドスマートウォッチです。見てくださいこの堅実なデザイン。いい意味で癖がありません。しかもラインナップは50種類。北欧デザインからビジネス、さらにはカジュアルまで一通りそろっています。
機能は通知やアクティビティ記録などベーシックなものから、タイマーや着信拒否など幅広いです。時計メインなので心拍機能はないですが、そのぶん電池持ちは最長2年で防水は10気圧とばっちり。
堅実なハイブリッドスマートウォッチを求めている人にはクロナビーが断然おすすめです。
○:画面なしのモデルの中では機能が多い。堅実なデザイン
△:心拍機能はなし
オロロジカル(フレデリック・コンスタント)
時計大国、スイスからの刺客。フレデリック・コンスタントはスイスの時計メーカーです。フレデリック・コンスタントの設立は1988年と、スイスの中では歴史が浅い立ち位置です。そのぶん伝統にとらわれず画期的な製品を開発しています。スマートウォッチへの対応もとても早く、ハイブリッドスマートウォッチ界隈では古参メーカーの一つです。現在はシチズンの傘下に入っています。
フレデリック・コンスタントが売り出している「オロロジカル スマートウォッチ」の特徴は、時計としての完成度の高さです。なんといってもスイス製の看板を背負ったモデルです。ラインナップも全29種類と充実。
一方で、古めのモデルなので機能は少なめ。機能がモデルによって微妙に異なっているので注意してください。また、定価が10万円近いモデルも多く全体的に高め。
フレデリック・コンスタントの傘下のアルピナからも同じ性能のハイブリッドスマートウォッチを発売しているため、購入を検討するときはぜひそっちもチェックしてみてください。アルピナはスポーティな時計がそろっています。
○:時計としての完成度の高さ
△:機能が少なめ。価格が高め
wena3(ソニー)
文字盤じゃなくてバンド部分にスマートウォッチの機能を入れればいいのでは? という発想で生まれたソニーの wena。2020年に第三世代の新モデルが発売されました。
新モデルはさらに薄く、さらに高機能に進化。アクティビティ関連の機能はウィジングスやガーミンと比べても引けを取りません。さらにSuicaの決済にも対応。今のところSuicaに対応しているハイブリッドスマートウォッチメーカーはガーミンとソニーの2社のみです。
ただ現在はアプリのバグが残っており、通信面で不安定なところがあるようです。購入の前に一度アプリストアのレビューをチェックしたほうがいいでしょう。
wena シリーズの特徴はなんといっても自由に時計と組み合わせられること。普通の時計と共存できるという意味で、他のハイブリッドスマートウォッチと比べ異彩を放っています。時計を絶対使いたいけどスマートウォッチに興味がある人にオススメです。
○:従来の時計と組み合わせて使える。高機能
△:通信面に課題あり
安いものがほしい
性能は少なくてもいいからとにかく安いものがほしい。そんなあなたにはこの二つがおすすめです。
フォッシルグループのハイブリッドスマートウォッチ
再びフォッシルグループ。フォッシルグループは、ディスプレイなしのいたってスタンダードなハイブリッドスマートウォッチを多数発売しています。
最大の特徴は種類の多さ。「フォッシル」「スカーゲン」「エンポリオ・アルマーニ」「マーク ジェイコブス」など10のブランドからそれぞれハイブリッドスマートウォッチを売り出しています。その種類は100種類を軽く超えるほど。ビジネスで使える堅実なデザインからデザイナーが命を吹き込んだ奇抜なデザインまでめちゃくちゃ充実しています。
※全部のリンクを貼ると長くなってしまうので、こちらのページからご覧ください。
価格もお手頃。機能もスタンダード。安くてもある程度機能がほしい人にはフォッシルグループのハイブリッドスマートウォッチがオススメです。
○:価格と性能のバランス良し。種類が多い
△:機能は多くない
Move(ウィジングス)
再々登場、フランスの企業ウィジングスのエントリーモデルです。
その最大の特徴は安さ。驚くことに定価が1万円を切っています。アマゾンを見たら3000円で売っているときもありました。すごい。
機能としては、アクティビティの細かい測定が可能です。ただアクティビティ以外の機能は少なめ。通知機能もないのでご注意ください。あとは安さを実現するため、時計の素材はプラスチックを採用しています。傷がつきやすいので注意です。
とにかく安いものがほしい。とりあえず1台目としてハイブリッドスマートウォッチを使ってみたい。そんな人にオススメです。
○:ハイブリッドスマートウォッチの中で最安
△:機能が少ない。傷つきやすい
ガジェットとして楽しみたい
完成度は低くてもいいから遊び心があるガジェットを使ってみたい。他人に面白がってもらえるハイブリッドスマートウォッチがほしい。そんな個性を求める人にはこの二つがオススメです。
ZeTime(マイクロノス)
カラータッチディスプレイ付きという夢いっぱいのモデルです。発売元は2013年創業のスイスの新興ガジェットメーカー、マイクロノス。
ガジェットの一面と時計の両面を持つオンリーワンのデザイン。これを身に着ければ個性をアピールできること間違いなしです。
ディスプレイ付きで普通のスマートウォッチに近いため、機能は豊富。心拍計やストップウォッチなど、普通のスマートウォッチにある機能が一通りそろっています。それでありながら電池持ちは最大30日と申し分なし。
ただ、最近はハイブリッドスマートウォッチでもディスプレイ付きは増えつつあります。例えば、文字盤の一部がカラーディスプレイになっている「vivomove Style/Luxe」や、文字盤全体がモノクロディスプレイになっているフォッシルグループの「Hybrid HR」。購入の際はこれらと合わせて検討することをオススメします。
○:カラータッチディスプレイ
△:普通のスマートウォッチと比べると機能は少なめ
Eco-Drive Riiiver(シチズン)
日本を代表する企業の一つ、シチズンが2019年に発売したハイブリッドスマートウォッチです。IoTプラットフォーム「Riiiver」を搭載しているのが最大の特徴。スマート家電と連携したりメールの定型文を送ったりと、様々なことができるように作られています。さらには自分で好きな機能を作ることもできたり。
ただ注意してほしいことがあります。それはアプリの完成度が低いことです。先ほど「好きな機能を作れる」と書きましたが、正直作れるものは少ないです。また、アプリが使いづらかったり通信が不安定だったりと、まだまだ課題は山積みの状態です。
「Eco-Drive Riiiver」の強みは時計としての完成度が高い点にあります。プログラミングの「ターミナル画面」を意識したスタイリッシュな文字盤に光発電の機能。時計として使うならばこんなにおもしろいものはないんじゃないでしょうか。スマートウォッチの機能は話のネタ程度、時計メインとして使いたいという人にオススメです。
○:時計として完成度が高い
△:IoT 機能の完成度は低め
機能の比較
コメント
投稿ありがとうございます
わかりやすくまとめられていて参考になりました
悩んだ末、withings steel hrを買うことに決めました