ハイブリッドスマートウォッチにおいて、個性豊かな製品を多数輩出している世界があります。それはクラウドファンディングです。発売前に欲しい人から直接資金を調達する仕組みで、比較的小規模の市場でも製品化まで辿り着きやすいことがウリとなっています。そのため、まだ市場が小さいハイブリッドスマートウォッチはまさに相性抜群。今回はクラウドファンディングの概要と、実際に製品化された(または開発中の)ハイブリッドスマートウォッチのプロジェクトをいくつか紹介します。
クラウドファンディングの概要
簡単に言うと、
実行者「こんな面白いもの考えたんですけどどうでしょう?」
支援者「面白そう、お金出します」
実行者「たくさんの支援者のおかげで目標金額を超えたので頑張って形にします!」
というものです。今まではアイデアと技術はあっても元手がない人は、お金を集めるためにスポンサー探しや融資の交渉など多くの障害がありました。それがクラウドファンディングの誕生により、製品の魅力が伝わりさえすればお金が集まるようになりました。また、マニアックなために利益が出るかわからないような製品もクラウドファンディングで反応を伺うことができるようになったため、尖った個性豊かな製品が日の目を浴びられるようになりました。もちろんハイブリッドスマートウォッチも例外ではありません。
利用する際の注意点
便利なサイトですが、もちろん良いことだけではありません。注意点が二つあります。
一つは、出資したお金が無駄になる可能性がある点です。目標金額に届かなかった場合は、製品化ができません。資金調達の目標を達成した場合でも、結局製品がどうしても出来上がらずプロジェクトが終わってしまう場合があります。サービスによって異なりますが、製品が届かなくても出資した分は返ってこない場合が多いです。また、製品が完成した場合でも最初のコンセプトよりも微妙なものが届く場合もあります。
二つ目の問題は、製品が日本で使えない可能性がある点です。スマートウォッチの場合、電波でスマートフォンと通信します。電波を発する機器を日本で使う場合、日本で認証を得る必要があります。認証された製品には技適マークが付けられます。海外のプロジェクトに出資を検討している場合は、技適を取る予定があるか問い合わせてから決めたほうが良いでしょう。
サイト紹介
クラウドファンディングを運営しているサイトで代表的なものを紹介します。
Kickstarter
世界一の規模を誇るクラウドファンディングサイトで、一番有名なのはこれ。スマートウォッチのPebleやVRのOculusなど、様々な製品がKickstarterから生まれています。昨年9月に日本語に対応しました。
Indiegogo
kickstarterと並んで有名なのがIndiegogoです。Kickstarterよりも出展の自由度が高くマニアックなプロジェクトも数多くあります。
Makuake
日本発祥のクラウドファンディングサイトは複数ありますが、スマートウォッチ関連ではmakuakeが一番多く出ているようです。サイバーエージェントがバックについています。
Rakunew
今までとは毛色が違い、海外のクラウドファンディングで資金調達が完了した製品を日本で発売するサービスを行っています。イメージは販売代理店に近いでしょう。製品化が決まった商品のみを扱っているので、入手できる確率が高いと言えます。
Rakunewを扱う際の注意点として、技適の問題があります。Rakunewの免責事項を見ると、技適を取得しているかの確認はRakunewでは行っていないという旨が書いてあります。Rakunewでスマートウォッチを購入する際は、日本で使用できるか事前に出品元に聞く必要があります。
製品紹介
クラウドファンディングでのハイブリッドスマートウォッチは、通常の製品以上に尖ったコンセプトのものが数多く存在します。スマートウォッチと異なりまだ覇権を握っている製品がないため、今後クラウドファンディングの製品から大人気の機種が生まれるかもしれません。その中で特に尖っていると感じた機種を三つ紹介します。
GLIGO
GLIGOはディスプレイ付きのハイブリッドスマートウォッチです。ディスプレイを黒白のインクスクリーンにすることで電力消費を抑え、最大30日間の連続使用を実現しました。また、デザインもクラシカルでシンプルなものに仕上がっています。
開発したのは2010年創業の深センの新興企業、Shenzhen Pertie Technologyです。
SEQUENT
SEQUENTは電池持ちと機能を両立した驚異的なハイブリッドスマートウォッチです。運動エネルギーを電気に変換する機構が入っており、充電なしで使うことができます。充電いらずだけでなく、心拍センサとGPSが内蔵されており高機能なアクティビティトラッカーにも劣らない性能が期待できます。
開発しているのは本製品を作るためにスウェーデンで創業した会社で、企業名もSequentとなっています。
ZeTime
文字盤部分全体がディスプレイになったハイブリッドスマートウォッチです。しかも文字盤はタッチスクリーンになっていて通常のスマートウォッチと比べても遜色のない性能となっています。スイス発のメーカーが開発しているため、デザインも洗練されています。
開発元はスイスのマイクロノス(MyKronoz)。創業は2013年と新しいですが、本製品以外にもアクティビティトラッカーやスマートウォッチを多数精力的に売り出しています。ZeTime2を8月に発表したことからもそのスピード感が伺えます。
まとめ
クラウドファンディングとハイブリッドスマートウォッチはとても相性が良く、個性的な製品が生まれ続けています。また、今後もまた注目の製品がクラウドファンディングから生まれることが期待できます。今後もクラウドファンディングは要チェックです。
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