2020年5月下旬より、ドン・キホーテからスマートウォッチが発売されています。その中にアナログ針付きのハイブリッドスマートウォッチも三種類ありました。これは気になる。ドンキのガジェットといえば、「19,800円のノートPC」をはじめとした安さと怪しさに魅力(?)があります。そこで、今回はドンキのハイブリッドスマートウォッチ三種類の正体は何なのか調べてみました。
発売情報の概要

出典:PRTimes
今回発表されたスマートウォッチは七種類。そのうちの三種類がハイブリッドスマートウォッチです(画像では右上の四つ)。詳しくはあとで紹介します。
さて、発売元は「Fugu Innovations Japan」です。調べてみると、いろいろなガジェットやおもちゃ、スマホ関連グッズを輸入し販売している会社のようです。製品は中国からのものが多いです。つまり、今回のスマートウォッチはすでに中国で売られた商品を Fugu Innovations が輸入し、日本での技適(通信機能を日本でも使える認証)を取得しドンキに卸したということになるようです。
今回は、発売されたハイブリッドスマートウォッチがどのような企業によって作られたのか、どんな機能があるのかそれぞれ紹介していきます。
モデル1「BlackBird」(ブラックバード)
概要

出典:PRTimes
デジタル液晶つきのハイスペックなハイブリッドスマートウォッチです。写真のとおり文字盤の色を変える機能もついています。機能一覧は以下の通り。
- 歩数
- 移動距離
- 消費カロリー
- 心拍数計測
- 睡眠モニター
- 長時間着座注意
- 各種アラーム
- 着信通知
- 天気
- 音楽コントロール
(BlackBirdの説明書より引用)
特徴は機能の多さとディスプレイが付いている点です。一般的な機能は全部そろっていると考えてもらっていいでしょう。
価格は税抜き12,800円。中国のガジェットらしい普通のハイブリッドスマートウォッチよりも安い値段です。
開発元を調べる
調べてみると見つかりました。「APPSCOMM」という企業から「Lemovt P01」という名前で発売されています。APPSCOMMは、ウェアラブル機器を開発している中国・広東省のベンチャー企業です。創業は2004年。いち早くスマートウォッチに目を付け、2007年に最初の製品を発売して以来、スマートウォッチを売り出し続けています。また、でき合いのパーツを組み合わせるのではなく、ムーブメントの開発も自社で行っており技術の高さを感じさせられます。

出典:Lemovt
調べていると開発しているムーブメントの中にアナログ時計とディスプレイが合わさったモデルも見つかりました。Lemovt P01 もおそらくそのムーブメントを使っているのでしょう。なかなか興味深い企業です。
モデル2「Falcon」(ファルコン)
概要

出典:PRTimes
こちらは文字盤の一部分にモノクロディスプレイがついたモデルです。ディスプレイ付きで秒針がついているのは珍しいかも。
さて、機能を見ていきましょう。
- クォーツ時計
- 心拍数の監視
- 歩数計測
- ストップウォッチ
- 移動距離表示
- カロリーモード
- 着信通知
- メッセージ通知
- 睡眠モニター
- ファーム更新
- 電源オン/オフ
- 血中酸素モニター
- 血圧モニター
(Falconの説明書より引用)
こちらも機能が充実しています。珍しいのは「血中酸素モニター」と「血圧モニター」です。しかし、これら測定機能の精度には期待しないほうがいいです。前に一度血圧機能付きのスマートウォッチを使ってみたのですが、精度はとても微妙でした……。
価格は税抜き6,980円。心拍数機能つきのハイブリッドスマートウォッチとしてはとても安いです。
開発元を調べる
「Falcon」の元をたどると、上海のベンチャー企業「Toleda」から発売されている「T4」というモデルが見つかりました。Toleda は2007年創業の深センにあるベンチャー企業です。こちらは時計のムーブメントではなくウェアラブル機器の開発を主要事業としています。
血圧測定だけでなく、心電図測定ができるスマートウォッチも発売しているっぽいです。こちらも精度は謎ですが……。
モデル3「Phoenix」(フェニックス)
概要
三つ目はシンプルなハイブリッドスマートウォッチです。

出典:PRTimes
機能を見ていきます。
- 歩数
- 移動距離
- 消費カロリー
- 睡眠モニター
- 長時間着座アラーム
- 着信通知
- メッセージ通知
- スマホシャッターリモコン操作
(Phoenixの説明書より引用)
今までのモデルと違い心拍機能とディスプレイがありません。ただ歩数や睡眠モニター、通知など勘所はしっかりとつかんでいます。フォッシルのハイブリッドスマートウォッチと近い感じがします。
価格は税抜き3,980円と激安! くせのないハイブリッドスマートウォッチなので、ハイブリッドスマートウォッチに興味があるけど買ったことがない人が一つ目として買ってみるのにいいかもしれません。
開発元を調べる
こちらもベンチャー企業でした。その名も「优创亿科技有限公司」。URLでは「UTE-tech」と書かれていたので、以下UTE-Techと呼ぶことにします。UTE-techは2012年創業で、こちらも深センにあります。こちらもウェアラブル機器を開発している企業になっています。中国語のHPしかなかったので、翻訳サイトを使って調べてようやく事業が分かりました。
製品一覧を調べてみると、普通の時計っぽいハイブリッドスマートウォッチも取り扱っているようです。

出典:UTE-tech
これも気になりますが、日本では未発売です。
まとめ
ドン・キホーテのハイブリッドスマートウォッチは中国で発売された製品を輸入したものであるため、どれも安く個性的なものがそろっています。とりあえずで買ってみるのもアリかもしれません。
※今回紹介した商品をドン・キホーテ以外で購入する際は自己責任でお願いします。別製品で技適が通っていない可能性があります。
スペック一覧
BlackBird | Falcon | Phoenix | |
電池持ち | 約8~11日? | 約7日 | 約1~2ヶ月 |
防水 | IP67 | IP68 | IP65 |
秒針 | × | ○ | ○ |
日付確認 | ○ | ○ | × |
活動トラッキング | ○ | ○ | ○ |
睡眠トラッキング | ○ | ○ | ○ |
心拍測定 | ○ | ○ | × |
通知機能 | ○ | ○ | ○ |
カメラシャッター | ○? | ○? | ○ |
音楽プレーヤー | ○ | × | × |
スマホ紛失防止 | ○? | ○? | ○? |
目覚まし | ○ | ○? | ○ |
ディスプレイ | ○ | ○ | × |
価格 | 1.3万円 | 7000円 | 4000円 |
※「?」は日本語の説明書に載っておらず、中国での販売ページでは載っていた機能です。
参考文献
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