一般的なスマートウォッチの弱点といえば、使いづらい場面があることです。特にそれが顕著に出るのがビジネスの場面ではないでしょうか。そこで出てくるのがハイブリッドスマートウォッチです。外見はアナログ時計と同じため変に目立つ心配はありません。また、存在を知っている人が少ないため話題作りにもピッタリです。今回はそんなビジネス使いできるハイブリッドスマートウォッチを紹介します。紹介する順番は大体の安さ順です。
1. ミスフィット Command
ミスフィットはフォッシルグループ(詳しくは後述)の一員ですが、フォッシルグループよりもアクティビティ測定の性能が優れている独自の製品を売り出しています。製品はアクティビティトラッカーに近しいデザインが多いですが、日常使いもできるデザインとして生まれたのがCommandです。
通知や睡眠トラッキングなどのスタンダードな機能は一通り揃っており完成度の高い機種となっています。また、フォッシルグループの製品にはない運動の自動トラッキング機能があり、簡単な運動の記録を残すことができます。さらに電池持ちは1年と申し分なし。それでありながら価格は2万円台とお得。性能と価格のバランスに優れている機種です。
- ○:高性能な割に安価
- △:運動ごとの詳細なトラッキングはできない
2. ノット EH-38
2014年に日本の新しい時計メーカーとして生まれたノット。全工程を自社でカバーすることで高品質な時計を安価に製造する手法を確立しました。EH-38は「スマートウォッチと強く意識せずに使えるアナログ時計」をコンセプトに、シンプルなデザインと機能となっています。コンセプトに従って性能も必要最小限となっていますが、時計の延長線上として購入するにはちょうどいいのではないのでしょうか。注意点は、バッテリーが3日間と短めであることです。
ノットの特徴として、デザインの幅広さがあります。ノットの時計は文字盤とバンドが別々になっており、多用なラインナップから好みの組み合わせを選ぶことができます。EH-38の文字盤は現在5種類しか出ていませんが、バンドはたくさんの選択肢が用意されています。また、ノットのもう一つのウリである安さはEH-38にも当てはまり、2万円程度で買うことができます。
- ○:多彩な選択肢、安価
- △:バッテリーが3日間、充電方法が手間
3. フォッシルグループ
フォッシルグループは、多くの企業とライセンス契約を結んで多様なハイブリッドスマートウォッチを発売しています。どの機種も基本的な機能は同じで、基本的な機能は一通り揃っており電池持ちも4カ月~1年と言うことなしです。
デザインは男性向けのアウトドアをイメージしたものから女性向けの可愛らしいものまで、多彩なラインナップが揃っています。今回はフォッシルグループからビジネス用途に使える機種を出しているブランドを紹介します。
フォッシル
フォッシルグループの大元フォッシルはアメリカの時計メーカーです。フォッシルのハイブリッドスマートウォッチは男性から女性まで、カジュアルからフォーマルまで幅広いデザインの機種が揃っています。もちろんスーツに似合うデザインの機種もあります。
スカーゲン
スカーゲンはデンマークのブランドです。北欧デザインを基調にしており、ハイブリッドスマートウォッチもシンプルで男女問わず使えるデザインが揃っています。
マイケル・コース
マイケル・コースはアメリカのブランドで、丁度ビジネス向けに使いやすいデザインのハイブリッドスマートウォッチが揃っています。現在は生産していないのか公式HPには載っていませんが、通販サイトには揃っているので購入可能です。
アルマーニ
アルマーニはイタリアのブランドです。高級なイメージがあるかもしれませんが、若者向けに価格を抑えたブランドも出しています。ハイブリッドスマートウォッチを出しているのは「エンポリオ・アルマーニ」「アルマーニ・エクスチェンジ」の2ブランドです。高級スーツを扱っているアルマーニだけに、ラインナップはビジネス向けが中心になっています。
- ○:幅広いデザイン、一通りの性能が揃っている
- △:アクティビティトラッカー機能が最低限
4. wena wrist pro
ソニーが売り出しているスマートバンドです。wena wristはバンドが本体であるため、ノットは逆に時計盤を自由に選ぶことができます。機能はシンプルですが、トラッキングや通知など一通りは揃っています。また、電子マネー決済機能が付いているのは他機種にない特色となっています。wena wrist pro の優れている点は、ディスプレイが付いていることです。通知が来た際は内容も確認することができます。
今回紹介している pro はステンレス製ですが、姉妹品としてシリコンバンドの active があります。active は運動用途に力を入れ心拍センサが入っており、そちらもおススメです。
- ○:文字盤の自由度が高い、ディスプレイで情報を見やすい
- △:バッテリーが1週間程度
5. カシオ EDIFICE
日本を代表する時計メーカー、カシオも精力的に多様な種類のハイブリッドスマートウォッチを発売しています。今回紹介する EDIFICE は、スポーティと機能美を推しているモデルです。EDIFICEの特徴は、機種ごとに明確なコンセプトがあり個性豊かであることです。例えば EQB-600 は海外旅行、EQB-800 はレーシング向けの機能を搭載しそれに合わせたデザインで作られています。
活動トラッキングができなかったりと機能は少なめですが、その分時計としてはこだわりを持って作りこまれています。防水は10気圧と高耐久性、そして光発電のため充電はいりません。
カシオはEDFICEの他にも G-SHOCK や GRAVITYMASTER など多彩なモデルでスマホ連携する機種を発売しています。そちらも尖ったハイブリッドスマートウォッチが集っているのでそちらも是非見てください。
- ○:充電の必要なし、個性豊かなモデル。
- △:睡眠や歩数など活動トラッキング機能がない
6. クロナビー SEKEL / APEX / NORD / CARAT
クロナビーを開発しているのは、元ソニーモバイルの社員が中心になって2015年に設立したスウェーデンの企業です。性能は比較的多めで、一般的なハイブリッドスマートウォッチの機能は睡眠トラッキング以外はほぼ揃っています。それ以外にも、位置情報の送信やIFTTT(他Webサービスやスマート機器と連携させることによって様々なことが実現できる機能)など、多様な性能を楽しむことができます。
機種は4種類がありますが、いずれも性能は同じです。デザインにも統一感があり、堅実な外見の機種が揃っています。
- ○:多彩な機能
- △:睡眠トラッキング機能が付いていない
7. リズム時計
リズム時計は1950創業の日本の時計メーカーです。シチズンと業務提携しており、一部の製品はシチズンのブランドから発売しています。そんなリズム時計から発売したハイブリッドスマートウォッチのコンセプトは「本当に必要な機能に絞り込み使いやすさを追求したシンプルなスマートウォッチ」。そのため、性能を「通知」「アラーム」「カメラシャッター」「スマホ探索」に絞られています。
デザインは優しくてシンプルなものになっており、どのような服にも合うように作られています。
- ○:優しいデザインで使いやすい
- △:機能が少ない
8. シチズン エコ・ドライブ Bluetooth
カシオと肩を並べる国産時計メーカー、シチズンのハイブリッドスマートウォッチです。「スマホとつながる本格アナログ時計」をキャッチコピーにしており、時計としての比重が高い機種となっています。そのためcenno CONNECTED と同様に機能は少なめです。
エコ・ドライブ Bluetooth の大きな特徴は時計としての完成度の高さです。文字盤に太陽光パネルになっており、充電せずにずっと使うことができます。また、多くのハイブリッドスマートウォッチにはない秒針があり、さらには防水も10気圧と抜かりはありません(レディースモデルは5気圧)。時計メーカーとしてのこだわりが強くみられる機種となっています。
- ○:充電の必要なし、時計としての完成度が高い
- △:睡眠や歩数など活動トラッキング機能がない
9. フレデリック・コンスタント Horological
フレデリック・コンスタントはスイスの時計メーカーです。スイスの時計産業では創業が100年以上前の企業が多いですが、フレデリック・コンスタントは1988年と後発です。しかしその分革新的な技術を生み出しやすい社風が根付いています。Horological を発売したのもアップルウォッチと同時期の2015年。ハイブリッドスマートウォッチの中では古参となります。
Horological の特徴は機能のバランスです。機能は少ないですが、睡眠トラッキングや通知など必要性の高いものはきちんと搭載されています。
スイスの別メーカー、モンディーンやアルピナも同じムーブメントを用いてハイブリッドスマートウォッチを発売しているので、そちらもおススメです。
- ○:機能がコンパクトにまとまっている
- △:高価
10. ヴェルト SERENDIPITY
ヴェルトは2012年に設立された日本のベンチャー企業です。ヴェルトはテクノロジーとの付き合いかたを革新することを掲げており、SERENDIPITY にもその思想が注ぎ込まれています。
特徴は光とディスプレイによって情報を把握できることです。光を使うことによってアプリの通知の種類や天気を直観的に知ることができます。また、ディスプレイの表示内容によってさらに細かい情報を受け取ることができます。このようにしてスマートフォンを見ずに必要な情報を得られるのがSERENDIPITY の特色となっています。一方で目覚まし機能がない点、バッテリー持ちが1週間であることは人によって気になるかもしれません。
- ○:光とディスプレイを使った情報提示
- △:バッテリーが1週間、高価
まとめ
ビジネス向きのモデルは全面ディスプレイにできないためどうしても性能が少なくなってしまいがちですが、各企業がこだわりを持って機能を取捨選択をしており、そこを掘り下げると各々の哲学が見えてきます。自分の考えかたとセンスに合うハイブリッドスマートウォッチが見つかれば幸いです。
機能の比較
* 防水以外の “△” は対応機種 / 非対応機種が両方ある場合を表しています。
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