1月9日、アメリカのコンシューマーエレクトロニクスの展示会CESでウィジングスの新製品が発表され、大きな話題になりました。新製品は Move と Move ECG の二種類で、その片方 Move ECG がイノベーションアワードを受賞したのです。今回はその新機種二種類を紹介し、それぞれの特徴を探っていきます。
ウィジングス(ノキア)の製品紹介
ウィジングスが現在発売している製品は、「Steel」「Steel HR」「Steel HR Sport」の三種類です。
Steelはボタン電池で8ヶ月連続使用が可能なハイブリッドスマートウォッチです。性能はシンプルで、アクティビティ自動検出(歩行やランニング、水泳など)、睡眠トラッキング、目覚ましを使うことができます。
Steel HR と Steel HR Sport はディスプレイと心拍センサが付いており、より高機能となっています。Steel と同様の機能に加え、運動前にアクティビティを設定することでより精緻な測定を行うことができたり、通知機能を利用するなどができます。一方連続使用時間は25日間と短めで、電池でなくバッテリー駆動となっています。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
新製品の紹介
Move
特徴
Move のコンセプトは「洗練されたお手頃価格でカスタマイズできるアクティビティトラッカー」。Move の特徴は、デザインと電池持ちにあります。
デザインは Steel と異なり、カラフルなデザインとなっています。現在は五種類ですが、今後は定期的に増やしていく予定だそうです。また、時計盤だけなくバンドやガラスの種類など、選択の幅も広げていくとのこと。電池持ちは18ヶ月と大幅に増加。Steel の8ヶ月と比べ2倍以上の電池持ちを実現しました。
性能
性能は以下のとおり。
アクティビティの自動認識・トラッキング(スポーツ手動選択、GPSトラッキング) / 睡眠分析 / アラーム
基本的には Steel と同じ性能に見えますが、大きく異なる点が二つあります。一つは、アクティビティの精密な測定が可能である点です。Steel と異なりMove には竜頭(ボタン)が付いています。アクティビティ前に竜頭を推すことで、より詳しい情報を測定することができます。例えば、ランニングに使うとするとスマートフォンのGPSを使うことで、ペースや経路などを記録することができます。Steel HR / Sport に搭載されている「スポーツ手動選択」「GPSトラッキング」と同様の機能です。
Steel HR / Sport のスポーツ手動選択時は5種類から選択できますが、Move は1種類しか指定できないに注意してください(ディスプレイで選択できないため)。もちろんスマートフォンで対応するアクティビティを設定し直せば変えることができます。
一方でプラスチック多めなデザインになっているところは購入前に把握しておいたほうがいいです。価格がとても安いので仕方ないことですが、高級感は少ないデザインになっています。
Move ECG
特徴
Move ECG のコンセプトは「医療用途の心電図測定が可能な世界で最初のアナログ時計」。心電図測定が可能なスマートウォッチはアップルウォッチぐらいなので、この機能はなかなか画期的と言えます。健康に力を入れているウィジングスらしい製品です。また電池持ちも優秀で、Move ほどではないですが1年連続使用することができます。
しかしとても残念な点があります。それは、日本で発売される日時が未定であることです。日本で医療用途の認証を取ろうとすると、認可までに長く時間がかかるそうです。そのため、Move ECG を日本で発売するとしても当分は待たないといけなさそうです。残念……。ちなみにアメリカでは今春発売予定となっています。
性能
心電図以外の性能は Move と同じようです。シンプルですがアクティビティの記録用途としてはなかなか優秀です。
製品一覧
Move
ショップで選択可能な機種は現在5種類になります(日本のショップでは未発売)。今後はカスタマイズのバリエーションが増えていく予定だそうです。実際プレスでは以下のラインナップと異なる色合いの製品が見られます(上の写真参照)。
Move ECG
発表されたのは2種類。Moveよりも落ち着いたデザインです。アメリカでは今春発売予定となっています。
価格
日本での発売価格はまだ発表されていないため、アメリカでの価格を参考に計算してみます。
- Move:約7,700円($69.95)
- Move ECG:約1万4,300円($129.95)
この価格、とてもお得です。今までのウィジングス製品で一番安い Steel が定価1万2,000円なので、いかに安いかがわかると思います。フォッシルグループの製品も1万円以上なので、日本で買えるハイブリッドスマートウォッチの中で最も性能と価格のバランスが優れているのは Move なのではないでしょうか。
他機種との比較
Move の性能は、Steel と Steel HR の中間に位置しています。先ほど紹介した通り、Move には竜頭があるためアクティビティの精密な測定を使えるようになっています。その他電池持ちと価格においてもMoveのほうが勝っており、性能はSteel の上位互換となっています。Steel のほうが良い点は、クラシックなデザインです。スーツや落ち着いた場に付けていくことを想定すると、Move は微妙かもしれません。
一方Steel HR / Sport と比べ大きく異なるのは、心拍機能が付いていない点です。心拍機能は運動する場合にはとても便利ですが、そうでない人にとっては Move でも十分だと思います。また、心拍機能よりも電池持ちを重視する人にとっては Move がオススメです。一方Steel HR / Sport のみで使える機能としてアプリの通知、日付確認などがあるので、その点も考慮に入れるといいと思います。
以上を踏まえてまとめると、以下のようになります。
- 心拍測定したい → Steel HR / Steel HR Sport
- 心拍測定はいらないがクラシックなデザインが好み → Steel
- 心拍測定はいらずクラシックなデザインでなくても良い → Move
- 心電図測定したい → Move ECG
まとめ
ウィジングスの新製品は、Steel の上位互換でありながら安価な Move、アナログ時計として初めて心電図測定機能が付いた Move ECG と画期的な機種が揃っていました。ウィジングスのHPを見ると、Move はページが作られているので、間もなく発売されるようです。期待して待ちましょう!
スペック一覧
Move | Move ECG | |
電池持ち | 18ヶ月 | 12ヶ月 |
防水 | 5気圧 | 5気圧 |
秒針 | × | × |
日付確認 | × | × |
活動トラッキング | ○ | ○ |
睡眠トラッキング | ○ | ○ |
心拍測定 | × | 心電図測定可能 |
通知機能 | × | × |
カメラシャッター | × | × |
音楽プレーヤー | × | × |
スマホ紛失防止 | × | × |
目覚まし | ○ | ○ |
ディスプレイ | × | × |
定価(推定) | 7,700円 | 1万4,300円 |
参考サイト
コメント