スイス製にこだわりあり。MMTの戦略と製品紹介

スイスのハイブリットスマートウォッチを調べていると、フォッシルグループのように複数企業に技術提供を行っている会社が見つかりました。その名もMMT。今回はMMTとは何者なのか、どんな戦略で売り出しているのか、そしてどんな製品が出ているのか紹介します。

スイス時計産業を襲った危機と現在

時計産業といえばスイスが有名ですが、かつて存続の危機を迎えたときがありました。始まりは1969年、日本のセイコーが実用化に成功したクォーツウォッチです(下図)。特許公開に伴い他企業もクォーツ対応の時計を発売し、時計は安価で大量生産できるものとなっていきました。その中で従来の職人技が必要な時計を作り続けていたスイスは大打撃を受けました。

そして今、再び危機が訪れていると言えるかもしれません。2015年、アップルから「アップルウォッチ」が発売。アップルらしい洗練されたデザインと機能の多さに多くの人が魅了され、今では世界で最も売れている時計にまで登り詰めました。その流れに追従し、サムスンやソニーといった電気メーカ―、フィットビットやガーミンをはじめとした活動量計を売り出している企業など多様な分野の会社がスマートウォッチに参入を果たし、時計の分野が脅かされています。対する時計メーカーも静観するわけにはいかず、フォッシルやシチズンなど一部の時計メーカーはスマートフォンと繋がる時計を売り始めました。

Apple Watch4

出典:Apple

その中でスイスの時計業界をどうしているでしょうか。調べていると、”MMT”という興味深い会社が見つかりました。イメージではフォッシルグループに近く、色々なスイスの時計企業に技術提供しているようです。

MMT(Manufacture Modules Technologies)とは

MMTは2015年に設立された企業で、2つの企業の合弁会社となっています。一つはウェアラブル関連の技術を持っているアメリカのフルパワーテクノロジーズ。もう一つはスイスの時計メーカーであるフレデリック・コンスタントです。

フルパワーテクノロジーズの技術を借用するのではなく合弁会社を作るのは、「スイス製」の定義を満たすためです。スイス製を名乗るためには、「60%以上をスイスで製造していないといけない」というルールがあります。そのため、モジュールからソフトまで技術の核部分に携わっているMMTはスイス企業の必要があるというわけです。

MMT

出典:MMT

MMT(フルパワーテクノロジー)の技術として、「Motion X」というモジュールからソフトまで統合したプラットフォームがあります。センサやバッテリーなどのハード面、スマホや時計のソフト面、そして睡眠や活動認識のアルゴリズム面などすべてをMMTの技術で実現することができます。これらより、スイスの時計会社はMMTと連携することでハイブリッドスマートウォッチを「スイス製」のお墨付きで発売することができるようになりました。

ちなみにMMTが携わったハイブリッドスマートウォッチが最初に日の目を見たのは2015年4月。Activite(ウィジングスの初代)とアップルウォッチの発売とほぼ同時でした。スイスの時計メーカーはスピーディーに対応できていたと言えるのではないでしょうか。

MMTと提携している企業と機種紹介

ここで、実際に売られている製品を簡単に紹介します。MMTと契約し発売しているのは、調べてみると5社見つかりました。

フレデリック・コンスタント

フレデリック・コンスタントはMMTの立ち上げ時から関わっているスイスの高級時計メーカーです。2016年にシチズンが株式を100%取得し、現在はシチズンの傘下となっています。ハイブリッドスマートウォッチは、オロロジカルスマートウォッチ(Horological Smartwatch)を2015年に発売しました。その後も新製品を出しており、今年の3月には機械式とハイブリッドスマートウォッチを組み合わせた意欲的な機種を発売しました。

アルピナ

アルピナは1883と老舗のスイス時計メーカーですが、クォーツショックにより休止状態となっていました。2002年にフレデリック・コンスタントが買収し、ブランドは復活。現在はシチズンの傘下となっています。ハイブリッドスマートウォッチについてもフレデリック・コンスタントと共同で、2015年にオロロジカルスマートウォッチ(Seastrong Horological Smartwatch)を発売しました。性能はほぼ同じですが、アルピナはアウトドアを意識したデザインとなっています。2018年には、デザインだけでなく性能もアウトドアに特化したハイブリッドスマートウォッチ「アルパイナーX」を発売しました。

モンディーン
Mondaine Helvetica No.1 Smart

出典:ROOMIE

モンディーンは1951年に創業したスイスの時計メーカーで、シンプルなデザインがウリとなっています。MMTと組んだ製品としては、2015年に “Helvetica No 1” を1957本限定で発売しました。

モバード
Museum Sport Motion

出典:Movado

モバードは1881年創業のスイスの時計メーカーです。芸術性がありながら革新的な時計に定評があります。2015年11月に “Museum Sport Motion” を発売しました。

フェラガモ
F-80 Motion

出典:Ferragamo

フェラガモはイタリアのファッションメーカーです。2017年に “F-80 Motion” を発売しました。

MMTのハイブリッドスマートウォッチの特色

MMTのプラットフォームを用いたハイブリッドスマートウォッチの優れた特徴としては、電池持ちの良さが挙げられます。約2年間の連続使用が可能となっています。他の性能としては、通知やアクティビティトラッキング、ハイブリッドスマートウォッチとして一般的な機能は一通り揃っています。心拍測定機能は搭載されていません。

MMT-365

出典:MMT

スマホ側のアプリは “MMT-365” というアプリが共通して使われています(AlpinerXは専用アプリあり)。

MMTのモジュールを使ったハイブリッドスマートウォッチの一番の弱点は、価格です。安くても7~8万円程度で、多くの製品は10万円を超えています。スイスのブランドなので高級路線なのは仕方ないのですが、もう少しお手軽な価格だといいのにとつい考えてしまいます。

まとめ

スイスの時計メーカーはスマートウォッチの波に対抗し、MMTを旗印に複数メーカーがハイブリッドスマートウォッチを発売していました。今回紹介したハイブリッドスマートウォッチはどれもメーカーごとの個性が生かされたデザインで、性能も安定しています。他人に一目置かれるようなハイブリッドスマートウォッチを探している人にはピッタリなのではないでしょうか。

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